TRACコーチ 大西正裕

カテゴリ:ヘッドライン,学ぶ,走る

TRACコーチの大西です。
日本一を決める大運動会である日本選手権が昨日終了しました。男子100mを筆頭に各種目で好記録、好勝負が見られ見所の多い大会となりました。楽しませてくれた選手の皆さん有難うございました!

さて、今大会は今夏に開催されるロンドン世界陸上の日本代表選手の選考会も兼ねており、この後代表選手が発表されます。どういった選考になるかわかりませんが、選考について説明したいと思います。

世界陸上に出場するためには、国際陸上競技連盟(IAAF)が設定する参加標準記録を有効期間内に突破することが前提条件となります。
例えば100mでは男子10秒12、女子は11秒26となり、各国から参加標準記録を突破した3名までの選手に出場権が与えられます。
この3名をどう選考するかは各国に委ねられており、日本も日本陸上競技連盟(JAAF)が定める選考基準があります。特徴として、記録を重視する選考となっており、男子100mではJAAF独自のS標準9秒89、A標準9秒98という記録が設定されています。S標準、A標準を選考大会前に出すと優遇される選考基準のため、参加標準よりも記録が高い設定されています。

男子100mを例に説明します。
日本選手権前の記録は、桐生選手(10秒04)、山縣選手(10秒06)、多田選手(10秒08)、飯塚選手(10秒08)※、ケンブリッジ選手(10秒12)と5名の選手がIAAFの標準記録を突破していましたが、JAAFの定めた標準記録を突破した選手はいませんでした。また、優勝したサニブラウン選手は10秒18とこの時点では,参加標準記録を突破できていませんでした。
日本選手権終了時では、上記の4選手に加えサニブラウン選手が10秒05と参加標準記録を突破し、参加する権利を持つ選手が6名となりました。(※飯塚選手は日本選手権に100mに出場せずに、専門種目の200mのみにエントリー)この場合に重要になるのが、JAAFが定める選考大会である日本選手権となります。

選考基準には参加標準記録と日本選手権優勝が即時代表内定となるとの記載がありますので、現時点ではサニブラウン選手の代表が決定しています。2位の多田選手、3位のケンブリッジ選手は選考会議後の選考となりますが、選考基準に参加標準記録+日本選手権3位以内という条件があるので代表入りは濃厚でしょう。惜しくも昨年のリオ五輪代表の桐生、山縣の両選手の100mでの代表入りは厳しい状況でしょうが、桐生選手についてはリレーでの選考される可能性も考えられます。現状では、サニブラウン選手、多田選手、ケンブリッジ選手に加えて200mの飯塚選手がメンバーの候補ですが、補欠を考慮すると持ち記録の良い桐生選手を選考する可能性が考えられます。(あくまでも個人的な見解ですが、)

男子200mでは、100m同様にサニブラウン選手が優勝しましたので即時代表に決定しました。2位に入った藤光選手は参加標準を切っておらず現時点では参加資格を持っておりません。しかし、3位に入った飯塚選手は参加標準記録を突破しかつ日本選手権3位以内に入り選考基準を満たしているので代表入りが濃厚です。
藤光選手については、7月半ばの大会までに参加標準記録を突破すれば代表入りする可能性があります。

このように代表選手となるためには、記録、勝負の2つの条件を満たした選手が代表権を獲得できます。
熱戦が繰り広げられた男子スプリントチームがどのようにメンバーを選出し、リレーを組むのか、選ばれた選手たちでどのような走順とするのか予想するのが楽しみです!