TRACコーチ 大西正裕

カテゴリ:ヘッドライン,学ぶ,走る

TRACの大西です。

シューズを用意したのでいよいよ実験です!
場所はTRACの拠点とする「新豊洲Brilliaランニングスタジアム」で実験を行いました。
その結果は・・・いかに!

【方法】
①被験者
普段から走ることに慣れているTRACスクールに通う6年生2名を対象。(年齢:11±0歳 身長:144.1±4.45cm)

②シューズ
運動会最速シューズを検証するために、特性の異なるシューズを4足用意し、普段履きなれているシューズを加えた5足のシューズで検証を行った。
各シューズの特性はこちらを参照(NO.1)。

③測定方法
ランダムに選択したシューズ(23.5cm)を履き、全天候型のトラック直線で50m走を各2本、計10本の測定を行なった。各試技の間には十分に休息を設けた。
測定については光電管測定器を用いて測定を行なった。

④測定項目
50m走のタイム及び、映像より50m走中歩数をカウントし、ピッチ、ストライドを算出した。また、走った直後にシューズの履いた際の感想を聞いた。

【結果及び考察】
大人用ランニングシューズのNIKE(以下、NIKE)、子供用ランニングシューズのasics(以下、asics)、普段のシューズ(以下、CT)、子供用ランニングシューズの瞬足(以下、瞬足)、adidasのサッカートレーニングシューズ(以下、adidas)を用いてシューズ間で50m疾走タイム、50m走中の歩数、ピッチ、ストライドを比較した。結果は、表1(個々のデータ)、表2(2名の平均)に示した通りである。

①タイムについて

NIKE<asics<CT<瞬足<adidas

平均タイム、個々のタイムでもNIKEが一番早い結果となった。asicis、CT、瞬足の3足の間には大きな差がみられなかった。
子供の感想でも「フィット感」「つま先(前足部側)での接地がしやすい」などの意見があった。一番遅いタイムになってしまったadidasでは「シューズのアッパーが硬い」「ソールが硬くて痛い」などの意見があった。被験者のうち1名はサッカーに取り組んでおり、普段からサッカー用トレーニングシューズを履き慣れていたためタイムの低下はみられなかったものの上記のような感想ではあった。陸上競技のスパイクシューズでも硬い素材が使われているため、シューズ内での足の遊びが少なくフィットすると予測していたが、足馴染みがないと硬い素材はマイナス要因であった。瞬足は、アッパーの硬さはないものの履き口がテープであり、走っている最中にシューズの中で足が動くというような感想であった。また、ソールについては、asics、瞬足はスパイクのようなゴムの突起したポイントがグリップが良く走りやすかったという感想であった。
これらのことから、走行中の足の動きに柔軟に対応できつつフィット感があるアッパー素材であること、走行中のシューズのねじれを抑制しスムーズな蹴り出しが可能となる「シャンク」がついてあることが、子供用シューズを選ぶ際の考慮すべき点であると考えられる。

②歩数、ピッチ、ストライドについて

歩数 :adidas<瞬足<NIKE=CTasics>CT>瞬足>adidas

平均ストライド:NIKE=CT=asics<瞬足<adidas

上記の3つの項目について考察したい。歩数、平均ストライド共に、「ソールが硬い」といったadidasが一番であった。ソールの硬いシューズでは、蹴り出した瞬間に変形したシューズが戻ろうとし、その力を利用して地面により力を加えることが可能となる。そのため、被験者が感じた「硬い」という印象と走った際にストライドが伸びていたこととは関連していたことがわかった。走りを見ていた印象としても、滞空時間が長い走りに変容していたように感じた。硬いソールを十分に曲げることができる体重や筋力がある場合には、ソールの硬いシューズを選ぶことによってストライドを向上させ得ることが推察された。
注意しなければならない点は、走スピードはストライドとピッチの積で決まるため、双方の能力を高めることが必要となるため、ピッチが低下しないように配慮しなければならない。
平均ピッチについては、最もタイムが良かったNIKEが最もピッチが高い結果であった。CTを除くシューズの重量は、NIKE<asics<CT<瞬足<adidas となり、これはシューズの重量との関係が示唆された。

 

【結論】
運動会最速シューズを選択するために、以下の点について考慮すべきである。

①アッパー素材が緩まず硬すぎず、足馴染みの良いものを選択すること。
②疾走中のシューズのねじれ、スムーズな蹴り出しをサポートする「シャンク」があること。
③走りのタイプによってシューズを選択すること。
ストライド:硬いソールのシューズを選択
ピッチ:軽量なシューズを選択

ということで検証の結果でした!大西イチ押しのトレーニングシューズはまさかの結果に・・・。

しかし、これを行なったのは全天候型のトラックに、直線のみ・・・
学校は土のグラウンド、カーブが急な場合で行われることがあるので、そちらのパターンも検証してみました!
次回は、土のグラウンド編で!