TRACコーチ 大西正裕

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TRACの大西です!

「大人の足は速くなるか!?」の検証実験である #nukariyaproject のNo.3となります。

大人の足は速くなるか!? No.1
大人の足は速くなるか!? No.2

No.2では疾走フォームを分析し3つの課題をあげました。今回からはこの課題に対してのトレーニングのレポートになります。実際に動きのどこを見て、どのようなアプローチを行うのかを少しでも分かりやすくレポートしていきたいと思います。

今回取り組む課題は「ストライドの伸ばし方」です。被験者はストライドが大きな走りをしようとして、膝下を振り出しできるだけ前方に接地する動き(写真⑤)が見られました。走るスピードは、ピッチとストライドの掛け算であるので、”大きな”ストライドであることは目指すべき方向であり間違いではありません。しかしながら、このストライドの伸ばし方を間違えてしまうとブレーキの大きな走りとなり、速く走ることができません。

では、どのようにストライドを伸ばすことが正しいのでしょうか?

ストライドを伸ばすためには「できるだけ大きな力を地面に伝えることができるか」が重要となります。ストライドは足を遠く着いて伸ばすものではなく、地面に伝えた力によって”生み出される”ものです。単に、大きなストライドで走ろうとすると大きく足を開き、少しでも前に足をにつき1歩の距離を伸ばすことをやってしまいがちです。しかし、そのような走りであると腰が引けてしまい、大きな力を地面に伝えるどころか、地面からの反力も緩衝してしまいエネルギーのロスになります。また、大きな力を伝えようとドタドタ走っても速く走れません。できるだけ”短時間”で”大きな力”を伝えるようになることがストライドを伸ばすために考えなくてはなりません。

そこで、それらを達成するために正しい「姿勢」が重要となります。正しい姿勢を作ることによって、地面に伝える力と地面から受けるエネルギーをロスせずにストライドを伸ばすことが可能となります。正しい姿勢は静止状態で確認することはできますが、走ることは移動が伴いその姿勢をキープすることが求められます。

今回はこの動きの改善と感覚を養うために「腿上げ歩行」と「腿上げの切り替え」のスプリントドリルを中心にトレーニングを行いました。

1回目の歩行では上げている方の足の踵がお尻の下に引きつけられ、2回目の動画では踵が体から離れている腿上げ歩行となっています。ここで注目したいのは、姿勢と上げている足の踵の位置関係です。1回目では、踵は体から離れず体の近くでピストン運動を繰り返すことができており、足を上げた時にも綺麗な姿勢をキープすることができたまま移動しています。しかし、2回目では踵が体から離れており、足を上げた時にやや腰が引けている様子がわかります。歩行なのでスピード感も高くないので、顕著ではありませんがこのままスピードを上げていくと、体幹部がブレてしまいブレーキ要素の大きな接地となってしまいます。正しい位置で接地することが正しい姿勢をキープするために重要なことであり、ストライドを伸ばす上で大切なことです。

だいぶ腿上げ歩行ドリルがうまくなったので、続いては「腿上げの切り替え」ドリルです。

歩行ドリルと同じように足を上げた姿勢を作り、一気に足を入れ替えます。ミニハードルの前に立ち、右ー左ー右と足を入れ替えるドリルです。

被験者はなかなかうまくいきません。(一応、最後にはお手本が入っています。)足の軌道も体の下からピストン運動ができており、一見問題ないように見えます。しかし、スローにしてみると最初に地面に着く右足の膝が曲がり地面からの力を緩衝しています。そのため、地面に伝える力が小さく、地面からの反力を活かすことができず、左足が地面に着いた時に右足が上がってきません。一見動きが問題ないように見えても、力をどのように地面に伝え、受け止めるかによって動きの質は大きく変わってきます。特に、スプリントでは接地時には自体重の5倍程度の力が加重されるため、それに耐えうる姿勢が重要となります。

被験者はトライアスロン出身ということもあり、スプリントのような爆発的な負荷に対しての耐性がないことが顕著でした。感覚的にわかるまでスプリントドリルを続けることもトレーニングなのですが、こういった感覚をどのように対象者に想起させるかがコーチングの醍醐味であり手腕の見せ所です。次回はTRAC式「力を緩衝しない感覚を養うトレーニング」をレポートします!

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