身体の成長は記録を生む

2018年06月08日 | TRACコーチ 大西正裕

TRACコーチの大西です。
「身体の成長は記録を生む」
学生時代にコーチに言われ、すごく共感している言葉です。
「身体の成長」というの身体の発育(身長や体重が増加する)ではなく、身体の発達(筋肉などの機能の発達)を指しています。
小学生など発育段階にあるときには、体の発育による成長によって記録も変化して行きます。小学生では身体の発育により、特別なトレーニングをしなくても学年が上がるごとに記録は向上します。ある程度身体の成長が落ち着いてくる高校生後半から大人にかけては、発育による記録の変化は期待できません。そこで、言われたのが冒頭の言葉でした。
しかしながら、当時はこの言葉が腑に落ちませんでした。当時、日本のトップスプリンターは末續選手や高平選手など比較的スマートな選手が活躍していたため、そのスマートさに憧れており身体の機能を高めることに対しては積極的ではありませんでした。
スマートな選手が速く走れるということは、筋力を高めることに太刀打ちできる何か秘密が、裏ワザのようなものがあるのではないかと考えていました。(大学の筋力トレーニングが辛すぎてやりたくなかったというのもありますが・・・苦笑)
スポーツではよく「心・技・体」と言われますが、パフォーマンスを発揮する上で重要だと考えられています。
このどれが欠けても良いパフォーマンスが出来ないという意味で考えていました。もちろんこれはこれで間違っていないのですが、トレーニングを行う時とパフォーマンスを発揮する時では異なる考え方をしなければいけないのでは?と思いました。
こう考えた経緯としては技術を支える体力的な土台が必要がなければいけないのではないか?という発想からでした。
筋力トレーニングによって同級生が100m走の記録を1秒近く(11秒1→10秒3)短縮したことを目の当たりしコーチの言葉を鵜呑みにしたことを反省にしました。
当時の同級生、後輩たちは、先輩方に比べれば実績もなく、いわゆる”穴”の時代でしたが、(積極的、消極的だったことは問わず)4年間みっちりトレーニングを行うことで、同級生全員が4年目に自己記録を更新し、目標としていた日本インカレでは入学時には予想できなかった成績を収めることができました。
こうした体験があるため、選手を見るときもフィジカル面の充実をしているかをよく見るようになりました。
現在、日本のスプリント界のリードする山縣選手、飯塚選手、ケンブリッジ選手もフィジカルトレーニングに注力し活躍しており、「身体の成長は記録を生む」の体現者であると感じています。
当時のあの言葉を鵜呑みにせずにいたら・・・と反省していますので、指導する選手たちには恩師と同じように伝えて行こうと思います。