日本選手権100mレース分析

2018年06月23日 | TRACコーチ 大西正裕

TRACコーチの大西です。

2018年かけっこ日本一は「山縣亮太」選手でした!
タイムも9秒台に迫る10秒05での優勝です。今期日本人負けなしの強さをここ一番でも発揮されました。2番には後半グイグイおいあげてきたケンブリッジ選手が2位、予選から好調さを感じさせていた桐生選手はリベンジならず3位となりました。
また、今期好調でダークホースだった小池選手桐生選手に1/100秒届かず4位に、決勝で維持のシーズンベストを記録した多田選手が5位と続きました。

昨年もハイレベルなレースとなりましたが、今年も去年以上に見応えたっぷりのレースとなりました。上位5選手のピッチ、ストライドの変化からレースを分析していきたいと思います。


<予選>
上位5選手がレースがばらけましたが、全員1着で通過しました。この時点では、桐生選手の調子の良さが際立ち、かなり余力を残していた印象でした。昨年、9秒台を記録した時と同じ歩数で走り、ゆとりのある走りが見られました。多田選手は少し終盤流しつつも、余力を昨年ほど感じることができず苦しいレースが予想されました。

<準決勝>
1組には、桐生選手、ケンブリッジ選手、多田選手が同走となりました。予選に続き、桐生選手がゆとりを持ったスタートから加速し、中盤で抜け出しトップ通過。ケンブリッジ選手が得意とする中盤で桐生選手が上回る加速をみせ、「これは勝てないかも」と思わせる走りでした。多田選手は混戦にもつれ込みながらも決勝進出決める走りでした。
2組には、山縣選手、小池選手が揃い、慶応大学の先輩後輩対決になりました。小池選手が山縣選手に終盤まで食らいついたせいか、山縣選手にもやや硬さは見て取れ、少しテンポが早い走りとなり歩数が1歩増えていました。一方で、小池選手は予選よりも2歩も歩数が増え、ピッチを高める走りで決勝を決めました。

<決勝>
私の個人的な予想では、山縣選手の安定感を推したいところでしたが、今大会走りを見て調子が良さそうな桐生選手が優勝予想でした。
山縣選手がスタートから自分の得意なレースを見せ、そのまま逃げ切り10秒05での優勝。2位以下は大混戦となりました。桐生選手は歩数自体は準決勝と変わらないもののゆとりのあるスタートの影が潜め、終盤追い上げてきたケンブリッジ選手に躱されてしまいました。準決勝で植えつけられた桐生選手のイメージを払拭し、自分の走りに集中した結果となりました。
レース全体を通じて、予選はゆとりがあるのでストライドが伸び大きな走りになり、決勝では早く動かそうとするのかピッチが上がる傾向にありました。特に、4位の小池選手はラウンド毎に歩数の変化までもあり、ピッチアップがスピードを高めるための一つのポイントであることがわかりました。
今回のレース分析では平均値なので、局面ごとの変化までは追えていませんが、どの局面でピッチアップさせギアチェンジを行なっているのかは非常に興味深い点です。