スプリントトレーニングを考える

2018年08月19日 | TRACコーチ 大西正裕

TRACの大西です。
猛暑が嘘だったかのように涼しくなってきました。

お盆休みを明けて夏休みも終盤となってきました。TRACのスクールも明日より本格始動となります。
このスクールのない期間を使って、キッズ(幼児)、小学生、中学生、高校生、社会人、パラアスリートと普段なかなか見ることのできない様々なカテゴリーの選手達の動きを見ることができました。特に合宿等で一緒になることも多く、カテゴリーを毎の特徴を観察することができました。

短距離走で最も大切なことは「身体をゴールまで運ぶ」ことです。

腕を早く振ることでも、腿を高く上げることでも、たくさん量を走りこむことが最も大切なことではありません。
これらは速く走るために必要なスキルやトレーニングであり、手段の一つで短距離走の本来の目的ではありません。
速く身体を移動させるために「大きな力」を「短時間」で「効率的」に伝えることが必要になります。

様々なカテゴリーを見てきた中で、この上記のことをトレーニングでできないと短距離走が速くなる練習にはならないのではないかと感じました。
中高生と小学生を練習した時に、同じメニューをやっても元気なのは小学生でした。
中高生と社会人、パラアスリートが練習をした時は、中高生の方が元気でした。

練習後の元気具合は 小学生>中高生>社会人、パラアスリート  という感じでした

しかし、スピードレベルや練習の質でいえば 小学生<中高生<社会人、パラアスリート です。

競技レベルが上がれば上がるほど、質を高めることができており、これがスプリントトレーニングの肝となることではないか改めて感じました。
例を出して考えて見ましょう。体力をタンク、出力を蛇口として考えます。

様々なトレーニングをすることで基礎体力を高めタンクを大きくしていきます。特に中高生が夏場に行う合宿や冬季トレーニングはタンクを大きくする作業だと考えます。

一方で、タンクの水を上手に使うために、蛇口のひねり方を覚える必要があります。どんなに大きなタンクを持っていても、蛇口を捻ることができなければタンクの水を使うことができません。この蛇口を捻ること、捻り方がスプリントのトレーニングの質に関わってくるところだと思います。

中高生と小学生を練習した時に、小学生が元気だったのがこの蛇口のひねり方を知らないから。中高生と社会人、パラアスリートが練習をした時に、中高生の方が余裕があるのは蛇口のひねり方が社会人、パラアスリート上手だったからではないでしょうか?

夏場や冬場の「強化期」や合宿ではタンク大きくすることを目的とすることが多いです。もちろん時期や目的に応じてタンクを大きくすることを疎かにしていけません。
しかし、スプリントで最も重要なことは「身体を運ぶこと」であり、タンクにあるエネルギーを使うことです。タンクにある蛇口を捻ることが出来なくてはタンクを大きくしても意味がありません。レースではこのタンクについている蛇口をどれだけ上手にひねって、身体を運ぶことができるかの競争をしているのです。

「貯めること」と「使うこと」はトレーニングでは見極めはわかりづらいかもしれませんが、頭の片隅にこれは蛇口を捻るトレーニングかな?タンクを大きくするトレーニングかな?というの意識しながらトレーニングに臨んでみるとまた違った感覚でトレーニングできるかもしれませんね。